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劇団武る[妻恋時雨] 三吉演芸場 昼の部(2016/2/23)

劇団武る[妻恋時雨]
注意:あらすじや台詞・役名等に間違いが多いかと思いますが、お許し下さい。


蟒蛇(うわばみ)一家
蟒蛇清太 都京太郎
吉五郎 三条すすむ
おせい 特別出演 沢田ひろし

木津川一家
おたか 月城小夜子
代貸 中村直斗
お花 都祐矢
三下 都たか虎

鬼塚一家
代貸 鈴峰龍艶

茶店の娘 桃香


情の深ーーい三人の女のお話です。(と私には見えた)

一人は浪速 木津川一家を仕切るおたか。
夫は喧嘩場で命を落とし、肌に合わない渡世を嫌って看板を下ろす事も考えたが、一家の為と女だてら家を長年守り続けてきた。そんなある日、可愛い娘が一緒になりたい男がいると、目に涙を溜めて頼んできた。話を聞けば、相手は半年前に娘を助けてくれた旅人の清太だという。好きな水なら飲ませてやりたい…そんな親心で清太に縁談話を持ち掛ける。最初は断る清太だったが、何とか良い返事を貰う事が出来た。娘の結婚がまとまり、立派な男に組を継いで貰えると決まった。こんなに嬉しい事はない。そんな時、清太を奥州から訪ねて来る者が…

一人はおたかの娘お花。
祭礼で喧嘩に巻き込まれた所を助けてくれた旅の男に一目惚れ。その際に深手を負った清太を献身的に看護する。そして回復祝いにと酒を持って清太の部屋を訪ね、そこで良い仲になり…
惚れた男と一緒になりたい。その一心で母に頼み込み、清太に縁談を受けて貰えた。

最後の一人は、奥州 仙台 波止場村 蟒蛇一家のおせい。
夫は男修行に出ている。身重の体で留守を守っていたが、隣に住む浪人が手篭めにしようと若い衆の留守を狙って襲ってきた。そこへ帰ってきた義父が止めに入ってくれたが、浪人を諭し後ろを向いたところをバッサリと斬られてしまう。大きいお腹で弔いを出し、立派に男の子を産むことも出来た。だけど、その後の病で目は見えなくなり組も散り散りに。残ったのは自分と若い者二人だけ。心細く待ち続けていても、旅に出た夫からは便りすらない。そんな時、浪速で夫を見たという商人が…それを頼りに吉五郎が浪速へと夫を捜して旅立って行った。ジッと村で待つと言ったが、居ても立っても居られない。おせい自身も乳飲み子を抱いて舟に乗り、見知らぬ浪速へと…。


主役の蟒蛇清太(都京太郎)は、「旅先で助けてくれた木津川の親分とお嬢さんは命の恩人。傷養生もさせて貰い、その恩と義理故に縁談話を断り切れなかった。だが、自分には故郷に妻が…」という苦悩の役。
奥州から訪ねて来た吉五郎から一家や妻や子供の事を聞きながらも、木津川一家への恩を裏切れず、吉五郎を追い返そうとする清太。「情けねぇや!この薄情もん!」と泣きながら帰ろうとする吉五郎。そこへ、奥州から浪速に着いたおせい(沢田ひろし)が登場する。
この沢田さんのおせいの姿が本当に素晴らしかった。心細そうに見知らぬ土地に杖を付き、腕には重みのある赤子を抱いている。長旅で疲れ切った様子。花道を数歩歩くだけで、台詞を一つも言っていないのに、体が全てを説明してくれるような表現力。そしてそれを受け止める三条すすむさんの吉と、都京太郎さんの清太。この三人のやり取りを直に見る事が出来たのは本当に幸せだった。

目の見えないおせいに「清太さんなら旅に出ましたよ」と嘘をつき、吉と一緒に奥州へ帰そうとする清太。だけど、苦労を重ね疲れ切った女房と初めて見る息子。可愛くない筈がない。そこでせめてもの詫びにと金を差し出す。そこで二人の板挟みの吉。「自分でやればいいでしょ」と言いながらも、おせいを悲しませたくない一心で清太の嘘に付き合う。だけど、おせいはそれを丁寧に断る。
「私の夫は渡世で名を上げ男を売らなきゃいけない稼業。その女房や子供がお金を恵んで貰ったら、うちの人が肩身の狭い思いをするじゃないか」とサラリと言う。どこまでも一途で、どこまでも夫が大事なんだ。その夫は他の女と一緒になろうとしているのに。「亭主の足を引っ張る事は出来ないよ」って当たり前のように笑顔で言うんだよ。自分は苦しい筈なのに。その思いに必死に涙を堪える吉。堪えながら必死におせいの素晴らしさを清太に訴える吉。すすむ座長も素晴らしい。

清太は吉に子供が抱きたいと合図をする。「自分で言えばいいでしょー」と言いながらも上手く嘘をつなぐ吉。「汗や埃にまみれているからご迷惑が」と断るおせい。吉の説得もあって、初めて我が子を抱けた清太の顔。その表情にまた涙がこぼれた。その温かさやその重み。最初で最後になるだろう息子の感触。赤子を受け取ろうとする吉を避け、少しでも長く抱き続けようとする清太。馬鹿で勝手な男だ。自分で決めたくせに。自業自得なのに。でも、その愛情も嘘じゃない。男の苦しみなんて知ったこっちゃないけど、京太郎さんの清太に涙がボロボロ出た。

目が見えないとはいえ、目が見えないからこそおせいが気付く違和感。そこにいるのは探し求める蟒蛇清太じゃないのか?と。違う違う!親分だったら姐さんや坊を見て何も言わない筈がないじゃないか!泣きながら必死で否定する吉。
今ほど目が見えない事が悔しいと思った事はない。真実を確かめられないこの切なさはと泣き崩れるおせい。そのおせいの姿に自分も声を必死で抑えて泣いていた。胸を抉られるように苦しかった。
そんな二人が去ってゆく。その姿が見えなくなって、初めて女房の名を呼んだ清太。
何の為の義理なのか。何を守る為の人情なのか。

二人が立ち去った後、おたかとお花が家から出て姿を見せる。
清太が言葉を発する前に、おたかが「何故、それならそうと言ってくれない」と切り出す。自分が、女房子供のある男に無理にでも娘を嫁がせるような愚かな母親にみえたか?と。なんて男前なんだろう。よくも娘を、私を騙したなと怒り狂ってもおかしくない筈なのに、笑顔で清太に故郷に帰れとまで言ってくれる。女房子供を大事にしろと。これが一家を守り続ける親の器なのかーと感動。
そしてお花に「事の善し悪しは分かるね。お別れの挨拶をおし」と言うと、お花も素直に「はい」という。「この半年楽しかった。これからは二人を幸せにしてあげてください。私の事は心配いりません」なんてお手本みたいに清太に向かって笑って、最後は「私だって木津川おたかの娘ですから」と誇り高く、だけど涙声で…そこまで言って、母の胸に泣き崩れる。その娘の肩を、良く出来たねと優しく抱く母。母娘揃って本当にいい女。清太が事情を説明するまでもなく、全てを悟った女達がまとめてくれて男達を見送ってくれた。

男だっていろんなものに縛られて苦しいんだろう。だけどやっぱり、自分は女だから三人の女達の見事さに目が行ってしまう。
信じるものや守るものがあると、女の人生はこんなにも力強く凛とするものかと号泣しながら思った。
許せる強さ、受け止める強さって凄いなーって。


でも、やっぱり大事なのは三条すすむ座長が言っていた
【呑んだらするな するなら呑むな】だよね。

下衆な事をしたあとに生真面目さを通す男って、ほんっと面倒よね。タチが悪いわw
可愛いけどね。
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