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劇団都[悲恋の雪] 三吉演芸場 夜の部(2015/8/25)

台風の影響で昼の部に不座だったかな座長と、花形 光乃みなさんが無事に戻られての夜の部。
お馴染みの[遊侠三代]を下地にしたお芝居との事。
川北長治と生き別れの父親が、人斬りとその被依頼人として出会ってしまう悲劇。
私的には、いくつかの劇団さんで観て、沢山ある見所に感動しつつも、
お互いが親子と気付く場面で無理を感じ、少しモヤッとしてきたお芝居。
さて、それを劇団都はどう観せてくれるのかと、とても楽しみにしていました。


劇団都[悲恋の雪]
注意:あらすじや台詞・役名等に間違いが多いかと思いますが、お許し下さい。

川北長治郎(都 京弥)と佐々木伊代(藤乃 かな)はお互いに剣の腕を磨き合う仲。
女でありながら必死に稽古に励む伊代に長治郎は理由を問う。
すると伊代は、亡くなった父親の代わりに母や妹や家を守る為だと答える。
そんな伊代に長治郎は、全てを受け入れると結婚を申し込む。

伊代は祝言の日を「雪が降る日が良い」と言った。
「辺り一面が真っ白な銀世界になると、嫌なものを全て忘れられる。
父が亡くなった時もそうだった。私一人でみんなを守らなければならないと思った時、
とても悲しかったけど、真っ白な銀世界を見ると、私でもやれるような気がした。
だからこそ、雪が降り、その雪が積もって真っ白に染まった銀世界の中を白無垢を着て、
そなたの元に嫁ぎたい」
「真っ白な銀世界の中のお前の花嫁姿。綺麗だろうな」そう微笑む長治郎。
幸せになれる筈の二人だった。

だけど、伊代は暴漢に襲われ、それを非難される形で結婚は破談。
追われるようにして土地を離れる事になる。
長治郎も「己の身を守れず、潔く自害も出来ない娘」と伊代を蔑む家を捨て旅に出る。

それから10年。
長治郎は川北長治として一家を構え、堅気からも慕われる人望厚い親分となっていた。
長治は「名前は佐々木伊代。歳は自分と同じ。首筋に小判大の痣がある女」
と伊代を探し続けていた。
そんな長治を、川向 親分(城 麗斗)は目障りで仕方ない。
そこで、長治を亡き者にする為、評判になっている女人斬り(伊代)を雇う。

長治宅を訪れた人斬りに代貸 長吉(光乃 みな)は「親分は留守だ」と咄嗟に嘘をつくが、
人斬りは「裏山で待っている」と伝言を残し去って行く。
それを聞きいきり立つ弟分 政吉(京乃 廉)を宥め、長吉は長治の羽織を着て
政吉の魂とも言えるドスを差し、身代わりとして裏山へ向かった。
「たとえこの命が無くなろうとも、魂だけは帰ってくるからよ!」そう言い残し。

裏山で長吉は、親分を死なせたくない理由を人斬りに話し出す。
親分には二世を誓った人がいたこと。その人を今でも捜し続けていること。
自分の命を差し出すから、どうか親分 川北長治を見逃して欲しいと。
そして長吉は探し人の「右の首筋に小判の痣」という特徴を思い出した。
目の前に立つ女の首筋にその痣を認めて愕然とした瞬間、長吉の命は絶たれてしまう。

一人になった女人斬りは呟く。
「川北長治?・・川北・・長治郎?」
殺すべき男は、あの長治郎だった。そして彼は自分をずっと探していたのだ。
こんな自分を。

長治と政吉が裏山に着くと、既に長吉は殺されていた。
悲しみと怒りに震えながら、長治は政吉に棺桶を二つ用意するよう言いつける。
「嫌だ嫌だ」と泣く政吉。だけど言いつけには背けない。
親分の無事を祈りながら場を去る。

長治と女人斬りの一騎打ち。激しく切り結び、打ち合う二人。
その中で長治は怪訝そうな表情をする。
相手の殺意に違和感を覚えたのか、剣の中に懐かしさを感じたのか・・。

「あの日から雪を見るのが嫌いになった。苦しみも悲しみも忘れさせてくれた雪が・・
雪を見ればあの日の悪夢を思い出す」
聞き覚えのある声が、人斬りの笠の下から絞り出された。
「ただ、ただ幸せになりたかった。女の幸せを掴みたかっただけなのに」
伊代だ。伊代が泣いている。
「会いたかった」
自分もだ。自分もずっとずっと会いたかった。ただそれだけだった。
確信した長治の目に、刀を振り下ろそうとする人斬りの姿が映った。
考える間もなく、長治は咄嗟にその体を上から下へと斬り降ろしてしまう。
刀を握ったまま呆然とする長治。
伊代は微笑むように、その切っ先を握り自らの腹に突き刺した。

何で、何故こんなことになったんだろう。
幸せになれる筈の二人だった。
たとえ不幸があっても、二人でいられたらと思わずにいられない。
故郷を追われた伊代。
その強さ故に人斬りとしての道があり、その貞潔さ故に自分の過去を忘れる事も出来なかった。
初めて人斬りの伊代が舞台に現れた時、殺気や迫力よりも、一人で泣き続ける子供のような
悲しさを纏っていた。そんな彼女の側に、一人でも良いから彼女を受け容れてくれる人がいたら、
こんな悲しい終わりではなかったかもしれない。

ただ、最期に長治郎の頬に触れ、長治郎の腕の中で微笑む彼女はとても幸せそうだった。
死に場所が欲しかったのか、終わることに安堵しているように見えた。
息を引き取った伊代をぎゅうっと抱きしめる長治郎。
伊代と長吉の名を繰り返し叫び、慟哭する様に涙が止まらなかった。

二人の上に真っ白な雪と、平井堅さんの「アイシテル」が悲しく降り積もって行くようでした。

戻ってきた政吉の涙。全てを見守ったおこもさんの優しさ。
私情を隠し、親分の川北長治であり続けた長治郎の強さ。
どこまでも素晴らしかった。

[悲恋の雪] 忘れられないお芝居になりました。

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